2011年05月11日
日本一小さなセブンイレブン

「飲み物、売ってまーす」。
がれきの山が広がる宮城県南三陸町の道路脇で、1軒のコンビニエンスストアが営業を再開した。店舗は小さなテーブル一つ。店員は家族5人とその友人たちだ。
再開したのは志津川地区で15年前から営業を続けてきた「セブンイレブン志津川天王前店」。オーナーの渡辺隆さん(48)は「少しずつ、できることからやろうと思って」と段ボールで作った「営業中」の看板を掲げる。
2カ月前、津波で店舗は根こそぎ流された。
数日間途方に暮れたが、「家族5人はみんな無事なんだ」と思い直し、再開を決意した。
店員は妻と3人の子どもたち。
店舗前の駐車場に小さなテーブルを広げると、力が湧いてくるような気がした。
冷蔵設備を備えた小型トラックを借り、隣接する登米(とめ)市の系列店から仕入れた商品を午前10時から午後4時まで販売する。
ドリンクやパン、プリンなど、商品は少ないが、地域の被災者に加え、復旧工事の関係者やボランティアの若者たちが列を作る。
東京都日野市から来たボランティアの男性(29)は「僕らは(被災者用の)炊き出しは食べられませんから。本当に助かります」。
最近は息子の友人たちも店を手伝う。
妻のちはるさん(38)は「津波で15年間積み上げてきたものが流された。
でもまた、ここから積み上げていこうと思います」。(三浦英之)
http://www.asahi.com/national/update/0511/TKY201105110210.html